一般社団法人 岐阜県林業経営者協会

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森林所有者の現状

山に価値を見いだせない所有者

 かつて自ら苗木を歩荷し、植林を行った山林の木が今何処にあるのか分からない。相続はしたものの、その山林が何処にあるのか定かではない。所有してはいるものの、今後どうすればいいのかさえも分からない。森林所有者の大半がこのような悩みを抱えているのが現状である。

 何をするにも100年単位。時間軸が長く近道のない山林経営。自分がいなくなってから、子や孫に引き継いでもらえるか分からない山にお金は勿論、自分の思いを入れて山づくりをしている所有者は当協会の会員ですらごく少数である。山林経営を生業としていない者にとって何の活路も見いだせない山自体、お荷物でしかなくなってきている。当然、このような現状では手入れの行き届かない森林が多くなり、たとえ整備を行ったとしても木材生産においては細く曲がった木など、低質材の出る比率が非常に高くなってくる。人工林は将来に亘り手を掛け続けなければ良好な姿を保ち続けることはできない。枝打ちや間伐をし、美林として維持していくことで山の経済的価値はもちろん、環境的価値の向上にもつながる。

 

森林資源の新たな使い道

 日本のエネルギー需要の多くは輸入された化石燃料に頼っている。木質バイオマスがこれらすべてを賄えるわけではないが、目の前にある豊富な資源をエネルギーとして使わない理由はない。搬出コストなど見直さなければならない問題もあるが、年間2000万m³発生していると言われる未利用間伐材が燃料等として価値を持つことができれば多少なりとも山林経営に寄与し、森林整備の推進にもつながる。山から離れつつある所有者に再び山づくりに興味を持ってもらう第一歩となることを期待したい。

山を財産として復活させる

 我々は、山への関心を持たない所有者へ情報を発信し続け、山を守り続けなければならないという責任と、我々が守ることで大きな環境保全につながっているという自負を芽生えさせ、財産としての価値ある山を復活させなければならない。