このたび、機会を得て(一社)岐阜県林業経営者協会 青壮年部会長を拝命するに当たり、部会長挨拶を書かせて頂きます。
私が当協会に入らせて頂き13年の時が経ちます。林業のことは全く知らない私でしたが、この協会に出席することで先輩の方々から、林業の基本から補助制度に至るまで、数多くのことを勉強させて頂きました。まさに今の自分があるのは当協会のお蔭だと思っています。この恩を忘れることなく、次の世代にも伝え、青壮年部が親会に対してその存在をアピールし、勉強会や視察研修会等中心的な立場を担い、親会の活発な活動の一助として林業経営者協会を盛り上げていきます。
岐阜県では平成26年度に瑞穂市のバイオマス発電や郡上市白鳥に中国木材が進出予定ですが、加子母の合板工場を加えて3社で30万m3の原木の消費が込まれます。平成28年度には県内素材生産量が50万m3に設定されましたが、この数字だけを目標に伐採を進めていくと、計画的では無い皆伐や過度な伐採率での間伐等、当会員の山から加速度的に木材の減少が懸念されます。
大面積所有者が集まった当協会ですが、実際には林業を生業としていない工務店や製材工場等、異業種の会員も多数みえます。今こそ、その会員との繋がりを強化し、原木の大量消費が見込まれる工場(並材以下の原木)や原木市場の情報等、エンドユーザーが求めている樹種・規格・品質等を把握する必要があるのではないでしょうか。自分達で育てた木が、最終的にどんな商品になるかを知っておくことは必要不可欠であると思います。市場の伝票が全てではなく、その先にある事実が最も重要な情報で、それが分かればニーズに対応した木を育てることができ、森林資源として循環型森林づくりを可能にすると考えます。
今の林業は補助制度がなければ経営は困難である程、危機的状況です。現行の補助制度が永久に続く訳も無く、補助金依存症からの改善を目指し、補助制度に頼らない森林づくり、すなわち林業経営の基礎を作らなければならないと考えます。
そのために下記のことをテーマとし新たな仕組みを検討します。
①複雑化する制度政策に精通するため、年度初め・年度中間・年度末の3回勉強会を開催する。
②県内研修として年に1回、当会員の山林見学を行い森林施業の現況を把握し、参考となる部分や課題を研究する。
③マーケットにおける国産材の使われ方を幅広く勉強する。
④補助制度に頼らない森づくり、林業の基礎を学ぶ。
⑤2年に1回海外研修を行う。
⑥ホームページを活用し会員の活動報告や、部会員及び親会会員の情報共有化を図る。